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奏楽堂コンサート

Program

〜マーチの醍醐味〜

お話:
東京藝術大学演奏藝術センター教授 社団法人日本作曲家協議会副会長 松下 功 先生

〜マーチ王・スーザの名作〜

《海を越えた握手》
《ワシントン・ポスト》
《雷神》
《星条旗よ永遠なれ》

〜東京・札幌・長野、そして東京へ〜

《東京オリンピック・マーチ》(古関裕而 作曲)
《白銀の栄光》札幌オリンピック・マーチ(山本直純 作曲)
《信州民謡パラフレーズ》長野オリンピック・マーチ(松下功 作曲)

(休   憩)

〜ルロイ・アンダーソンの世界〜

《シンコペーティッド・クロック》
《トランペット吹きの子守唄》
《サンドペーパーバレエ》
《そりすべり》

〜世界のマーチ〜

《旧友》(K. タイケ 作曲)
《双頭の鷲の旗の下に》(J.F. ワグナー 作曲)
《ラデツキー行進曲》(J. シュトラウス 作曲)

演奏:東京藝大同声会ウインド・オーケストラ
      (東京藝術大学卒業生・在学生による)

指揮:矢崎彦太郎

Cast

指揮: 矢崎彦太郎(東京シティ・フィル首席客員指揮者)
フルート: 竹山 愛(卒業生)、満丸彬人(在学生)
オーボエ: 小花恭佳(在学生)
クラリネット: 川井夏香(卒業生)、三木 薫(卒業生)、大橋裕子(卒業生)
柳瀬なつみ(卒業生)、須東裕基(在学生)、西澤いずみ(在学生)
中舘壮志(在学生)
サクソフォーン: 細川紘希(卒業生)、寺田麗美(卒業生)、田村 哲(卒業生)
ファゴット: 宮地杏由美(在学生)
ホルン: 堂山敦史(藝大フィル)、嵯峨郁恵(教育研究助手)、向井正明(卒業生)
菊池大輔(卒業生)
トランペット: 杉木峯夫(音楽学部教授・演奏藝術センター長)、内藤知裕(東京都交響楽団)
松添清香(在学生)、葉室 晃(在学生)
トロンボーン: 東川暁洋(卒業生)、廣田純一(在学生)、菅原 薫(在学生)
ユーフォニアム: 齋藤亜由美(卒業生)
チューバ: 麻生雄基(在学生)
コントラバス: 栗田涼子(教育研助手)
パーカッション: 稲野珠緒(卒業生)、今井文香(在学生)、亀井博子(在学生)、永野雅晴(在学生)
お話: 松下 功(作曲家・演奏藝術センター教授)

Profile

矢崎 彦太郎 Hikotaro Yazaki

東京藝術大学指揮科卒、ジョンプレイヤー国際指揮者コンクール(英)、ブザンソン国際指揮者コンクール(仏)入賞。
これまでに、ロイヤル・フィル、BBC 交響楽団、バーミンガム市交響楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、フランス国立放送フィルハーモニーなどを客演。
現在、バンコク交響楽団音楽監督、ヌサンタラ交響楽団音楽監督、東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者。2000 年フランス芸術文化勲章シュパリエ、2002 年エクソンモービル音楽奨励賞、2008 年タイ政府特別賞を授与される。パリ在住。

杉木 峯夫 Mineo Sugiki

東京藝術大学、バリ国立高等音楽院卒業。リヨン国立管弦楽団を経て75 年札幌交響楽団に入団。1986 年東京藝術大学音楽学部助教授、2002 年教授、09 年から同大演奏藝術センター長を兼任。
 現在、紀尾井シンフォニエッタ東京アドバイザー、PMF 評議員、日本トランペット協会理事長、くらしき作陽大学非常勤講師、コンセルヴァトワール尚美ディプロマ非常勤講師、東京藝術大学芸術する脳を考える会代表。

松下功 Isao Matsushita

東京藝術大学・同大学院、ベルリン芸術大学で学ぶ。1988 年長野冬季オリンピック開閉会式の入場行進曲、オリンピック公式文化プログラム《オペラ「信濃の国・善光寺物語」》を作曲。現在、東京藝術大学演奏藝術センター教授、社団法人・日本作曲家協議会副会長。

曲目解説  東京藝術大学演奏藝術センター教授 作曲家 松下 功

マーチの醍醐味

 マーチという言葉を聞くとすぐに思い出されるのは、誰しも幼き頃の〈運動会〉でしょうか……。軽快な2 拍子の音楽に大 きく手を振って誇らしげに行進をする子供たちの姿は、いつ見ても心和むものがあります。そんなマーチは時と共に変遷を重 ね、慶びの時も、悲しみの時も演奏される名作が幾つも作られてきました。

 今回の「東京上野ロータリークラブ奏楽堂コンサート」では、世界のマーチのいくつかを演奏して、皆さんと共に明日に向 かう活力を倍増させたいと思います。題して『マーチの醍醐味』。

♪ 〜マーチ王・スーザの名作〜

 マーチといえばスーザ、と言われるほどいくつもの名作を書いています。ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa)は、1854 年にワシントンに生まれ、1932年に亡くなっています。ワシントン海兵隊楽団のトロンボーン奏者だった父の影響をうけ、 7 歳から音楽の勉強を始めました。13歳の時には海兵隊楽団に入団し、その頃より作曲を始め生涯で100 曲を越えるマーチを作曲しました。

 本日の1 曲目《海を越えた握手》は、1899 年の作です。題名のとおり海を越えた友情の証を彷彿とさせる、エネルギー溢れる冒頭に一気に心を奪われます。昨年の東日本大震災のおりにも、世界から海を越えた友情の支援が日本に届けられました。

 続く、《ワシントン・ポスト》、《雷神》は、スーザが1880 年にワシントン海兵隊楽団の指揮者に迎えられたころ の作品です。この2作は運動会でも最も演奏される代表作です。マーチ王といわれるスーザの真骨頂は、リズムに乗った美しい旋律とともに対位法的処方の巧みさです。

 《星条旗よ永遠なれ》は、その代表格で力強い旋律と高音域の対旋律の組み合わ せは、目の前に巨大な建造物が現れるかのごとく豪華な響きを形成します。

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♪ 〜東京・札幌・長野、そして東京へ〜

 オリンピックといえばアスリートたちの競技の素晴らしさと共に、開閉会式の式典の素晴らしさにも興味がそそられます。
ことに選手入場の時の興奮は、式典のクライマックスといえるでしょう。今回の演奏会では、日本で開催されたオリンピックのマーチを取り上げます。

 1964年にアジアで初めて開催された「東京オリンピック」は、何人もの作曲家が式典に係る音楽を担当していますが、古関裕而作曲の《東京オリンピック・マーチ》は、多くの人々に感銘を与えた名作です。あの青空のもとに鳴り渡る軽快な旋律は、世界中から大きな注目が寄せられました。

 1972 年には札幌で「冬季オリンピック」が開催されました。日の丸飛行隊と呼ばれた日本ジャンプ陣の活躍は目覚ましいものがありました。この祭典でも多くの音楽が演奏されました。トワ・エ・モアの《虹と雪のバラード》は、イメージソングとして知られていますが、マーチは山本直純作曲《白銀の栄光》でした。《男はつらいよ》テーマ音楽の作曲で知られる山本直純の素晴らしいマーチも、式典に大きな花を添えてくれました。

 さて、1998 年には「長野冬季オリンピック」が開催されましたが、私もこの時はいくつかの仕事をさせて頂きました。オリンピックはスポーツだけの祭典と思われがちですが、実は文化の祭典でもあります。文化プログラムとしていくつもの公演が行われていますが、私は公式文化プログラムとして《オペラ「信濃の国・善光寺物語」》を作曲させて頂きました。そして、それと同時に開閉会式の行進曲も4 人の作曲家とともに書かせて頂きました。この時は、石井真木さんの提案で、田中賢さん、藤田正典さん、そして私の順番で日本の民謡をテーマとしたマーチを作曲しました。私は長野と関係が深いこともあり、選手入場の最後の部分から、日本選手団入場までを担当しました。そして、信州民謡を基に《信州民謡パラフレーズ》を作曲しました。《伊那節》《木曾節》《小諸馬子唄》の3 つの民謡を基にした作品です。日本選手団の入場は、私が編曲した《信濃の国》で、会場に詰めかけた数万人もの人が一緒に歌ってくれました。

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♪ 〜ルロイ・アンダーソンの世界〜

 マーチは聞いていると大変元気になり楽しいのですが、やはり2 拍子ばかりですし、大きな音ばかりなので、ここらで少し一休みと致しましょう。今回は、いずれもお馴染みのルロイ・アンダーソン(Leroy Anderson)の代表作をお楽しみください。

 アンダーソンは、1908 年に生まれ1975 年に亡くなったアメリカの作曲家です。学者・教師として活動をつづけながら、ダンスバンドで演奏をしながら生計を立てていました。その経験を生かしたユニークな発想の作品は、のちに続くアメリカン・ミュージックに大きな影響を与えました。《シンコペーティッド・クロック》は、1945 年に作曲され時計の刻みをシンコペーションのリズムに乗せた楽しい作品です。続く《トランペット吹きの子守唄》は、1949 年の作でゆったりとした旋律が心を和ませてくれます。今回は、杉木峯夫東京藝大教授のソロでお聞きいただきます。1954 作の《サンドペーパーバレエ》は、その名のとおり「紙やすり」との共演です。どんなものでも音楽にとりいれてしまう、アンダーソンならではアイデアに溢れた作品です。

 〜ルロイ・アンダーソンの世界〜最後の曲は、1948 作の《そりすべり》です。歌詞がつけられるなど、世界中で口ずさまれている名作です。

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♪ 〜世界のマーチ〜

 いつの時代も足並みをそろえて行進することは楽しいものです。行進曲は古くはオスマントルコの軍楽隊に端を発します。その影響は多くの作曲家にも与え、モーツァルトやベートーヴェンも《トルコ行進曲》を作曲しています。

 では、ここで懐かしい行進曲をお楽しみ頂きましょう。マーチといえばやはり、ドイツマーチでしょうか。ドイツの作曲家カール・タイケ(CarlAlbert Hermann Teike)が1889 年に作曲した《旧友》は、世界で最も知られている軍隊行進曲です。しかし、皮肉なことに初演は悪評で、タイケは失意のあまり所属していた陸軍軍楽隊をやめることになったそうです。「旧友」の名は、その送別会で戦友たちの友情に因んで名づけられたという話もあります。続いて演奏するヨーゼフ・フランツ・ワグナー(Josef FranzWagner)作曲の《双頭の鷲の旗の下に》も、解説の必要もないほどの名曲です。オーストリア・ハンガリー帝国の軍楽隊長で1880 年に作曲されています。

 本日は、『マーチの醍醐味』をお楽しみいただいてきましたが、やはりこの曲で会をお開きとしたいと思います。ヨハン・シュトラス1 世(Johann Strauss T)が1848 年に作曲した《ラデツキー行進曲》です。皆さんも盛大に手拍子を打ってお楽しみください。

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Pictures

パンフレット

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